管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

管理組合役員”年度”の年度末に思う
自腹に関することや、あれやこれや




自腹に関することは以前も書きました。できれば、このページを先に読んでいただけるとありがたいです。


 このマンションでは例年、5月の下旬に定期総会が行なわれます。今年は5/26です。

 マンションの会計年度は、「4月から翌年3月」なんですが、これとは別に「理事会役員の任期の年度」というのがあります。それは、「定期総会で、新役員就任の議案が承認される」瞬間から始まり、翌年の定期総会で、次期役員の就任が承認されるまでが、1年の任期になります。だから、このマンションでは「5月から翌5月まで」ってことになります。

 一般的なマンションでは、「会計年度が終わり、その年度の会計書類が作成されたうえで、決算や予算の書類を作成し、総会の議案とする」ということから、定期総会は、4月中旬から6月末までに行なわれます。「会計年度末から3ケ月以内に総会を開催する」という規定があるため、7月以降はNGです。

 でも、この仕組みをちゃんとわかっている人が少なくて、毎年、12月末になると、「これで、私の役員任期は終わりなんでしょ」とか言ってくる役員が1人はいるし、3月末になると、同様の人が3〜4人出現して、困ります。

 また、ややこしいことですが、定期総会の1〜2ケ月前には、次期役員が内定しているため、そのために、「平成25年5月の定期総会」の準備運営作業を、「24年度の役員」ではなく、「25年度(要するに次期ということ)の役員が行なうものだ、と誤解する人が、例年けっこういるのです。この人は、次期役員の内定(実際は4月かな?)が決まったら、その時点で、自分の任期が終わった、と勘違いしているようです。



整理すると、こんな感じです。同じ「1年間」でもいろいろなんです。

<誤解>「1月1日〜12月31日まで」
<誤解>「4月1日〜翌3月31日まで」
<正解>「4月1日〜翌3月31日まで」(※会計年度に関してだけ)
<誤解>「役員の内定が出た時〜翌年、次期役員の内定が出た時」(実際は、4月上旬頃)
<正解>「定期総会で新役員就任議案が承認された時点〜翌年の定期総会で新役員就任議案が承認された時点」(実際は5月下旬)

このように、管理組合運営上、「会計年度の1年間」と「役員任期の1年間」という2種類の1年間があるのですが、うちのマンションの場合、特に「会計年度」と「役員内定時期」が、けっこう近いこともあり、これが誤解の原因になりやすいかもしれません。

このように、いろんな誤解が生まれやすいので、正確な任期を、新役員さんには最初によくわかってもらうことが大事だと思います。フロントが丁寧に説明しないといけませんね。

なお、年度末という時期特有の問題があります。それは、
「理事長のやる気が全然ない」という点。
定期総会の準備とかの声が聞こえるようになると、「オレの仕事はもうすぐ終わり」ということで、なにかにつけて「手抜き」になるのです。まあ、人間だからしょうがないんだけど。なんか問題が起きても、「面倒だから、次期役員に任せましょうよ」ということにしてしまいます。まあ、「繰越案件」ということです。そういうわけで、4月に入ってから起きた様々なことは、ほとんど、「緊急的な設備の故障」以外、ほとんどが、「無反応」とか「あとにしよう」ってことで、手付かずのまま放置されます。放置プレーが好きな変態管理人だったら、この時期は最高かもしれません。(今、公開中の映画「変態仮面」はなかなか面白いぞ)


さて、そういうわけで、5月の頭という時期は、管理人にとっても、「平成24年度をまとめる作業」「年度の切り替えのための作業」をいろいろやってるわけです。そうすると、あれこれと思い出すことや、気がつくことも多いわけで・・・・ 今回はそういう話。

以前から何度も書いてることですが、この仕事、
「自腹」が多いです。自分でも「これではいけない」とわかってるんだけど、続いてしまいます。自腹の理由は、「そんな出費に金を払えない」という、「管理会社側がお金を出してくれない」「管理組合が承認してくれない」などがありますが、「買ったことを口に出せない」とか「会計役員がちゃんとしてないから」という理由もあり、特に後者は困るのです。

例えば、「書類ケース」。



「管理人から理事長へ」、各種書類を渡すときに、それを入れる入れ物として使用しているものです。封筒みたいなものです。

今年度は特に、小工事が多くて(古いマンションだから、あちこち痛んでる)、工事関係の書類も多かったし、住民の出入りも多く、その関係の届出書類も多く、マナー関係の問題も相変わらず多く、2日に一回は、理事長へ当てて、書類を提出していたと思います。
ここのマンションは「業務日誌を毎日理事長へ提出する」というシステムはないんだけど、事実上の業務日誌と変わらないかもしれません。

といっても、今年度の理事長も勤め人だから、直接手渡しすることは皆無で、実際は「文通」状態であり、各種書類を、このケースに入れて、理事長の郵便ポストに差し込んでおき、このケースに入れて管理人に戻ってくる、という作業になります。だから、この手のケースは必需品。
年度の最初に、30枚くらい買って用意しておいたんだけど、さっき、確認したら、私の手元には、5枚くらいしか残っていません。つまり、「理事長から戻ってこないものが多い」ってこと。故意に「ガメちゃった」わけではないと思います。ルーズなだけだと思う。でも、とにかく、なくなるのです。

なくなったら補充しないといけないわけだけど、購入するには理由が必要になります。でも、「理事長がいい加減で戻してくれないから、補充のため購入しないといけません」とは言えないわけで・・・・・ やっぱり、自腹になっちゃうんだよねえ。


それから、集会室の中においている「消臭スプレー」。

実は、このマンションの理事会役員は高齢者が多い。高齢者というと、自分たち本人では気がつきにくいのだが、「加齢臭」がすごい。だから、理事会が開催さ れた翌月曜日に、清掃員さんが集会室を掃除しようとすると、「悪臭がすごすぎて、こんなところを掃除をするのは嫌です」と言われてしまうのです。この集会室は残 念なことに、窓はないし、換気扇も不調なので、空気の流通が悪く、こもりがちです。
「皆さんの加齢臭がひどいので、消臭スプレーを買って下さい」とは言えないじゃないですか。
(実は、清掃員さんからは、換気用に扇風機を買ってくれないか? と真剣に頼まれている。さて、どうしたものか? うちの清掃員さんは、その激務ゆえ、コロコロ変わってしまうので、管理人としては清掃員さんのご機嫌取りもしないといけません)


 また、今年度の会計役員さん(「会計」といっても、小口現金の会計処理しか仕事はない)は、特別、悪質でした。

 プリンターのインクを買った際に、お金をもらおうとしたら、「こんなの、今は、100円ショップで買えるじゃないの? なんで900円も出して買うの?」とか嫌味を言われました。「100円ショップのものは品質が悪く、インク が漏れたりする」「写真がきれいに印刷できない。今は、写真を印刷することも多く。きれいに印刷されないと、役員さんたちが困るでしょ?」と説明しても聞 く耳を持ちません。
それに、「300円くらいの小さなもので、いちいち、会計処理をやってられないわよ。1年分まとめて、とかできないの?」とか文句を言う。小口現金の処理が仕事なのに、小口だから面倒だってのはおかしくないか?外科小児科。
あ〜だ、こ〜だクミと文句を言われた上に、実際にお金をくれるのは、3ケ月あと、とか、あまりにもひどいので、任期後半は、「300円のために、嫌な思い をするのなら、自腹のほうがいい」と思ってしまい、ほとんどの小物文房具類は自腹で買ってしまいました。
そういうわけで、毎年、トータルすると、数千円は、自腹で買っているわけです。薄給で、自腹はつらいよなあ。「はっきゅう」が美しいのは高校野球だけ。

ところで、ここの理事会って、会議の際に、「お茶のペットボトル一本も出ない」のです。そういう買出しを会計役員がやることになっているマンションだと、会計役員ってけっこう大変な仕事だけど、ここはそれもないし、ほんと、ここの会計役員って、楽なんだけどなあ。それでも、ろくに仕事をしない。

ところで、「理事長にサインや確認印を頼んだ書類が戻ってこない」というのもたくさんあって、これも本当に困る。本当は、こういうことがあらかじめ、わかっているので、理事長に渡す前に、私のほうでコピーをとっておけばいいのだが、私もそういうことを忘れがちなので、だめなんだよなあ。


2013/5



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