管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

「AED」を設置したい 






2017/2





今週末に、東京では「東京マラソン」があるそうで、以前、お笑い芸人の松村邦洋さんが、AEDで心肺蘇生したこともあり、それに関連して、最近、AEDに関する文字をよく目にします。当マンションも、病弱な高齢者が多く、また、原発爆発事故以来、放射能にも汚染され、突然死なども増えており、無関心ではいられません。

以前こんな記事を書きました。
2009/7 AEDつき自販機というビジネス
これ、その後は全然、営業に来てくれません。

2014/7 AED設置場所を検索できるサイト
ここでご紹介したサイトは、市役所から情報をもらって調べたサイトですが、これ、今朝、開いてみたら、なんとリンク切れ。消滅してしまったみたいです。こういう大事なサイトは消さないで欲しいです。

その代わりに見つけたのが、これ。
日本全国AEDマップ
このサイト、検索しやすいし、地図もわかりやすく、なかなかいい感じ。
早速、このサイトで、当マンションの周辺を調べてみました。残念ながら、すぐ近くにはなく、「ちょっと離れた交番」「ちょっと離れたパチンコ屋」(パチンコ屋はけっこうAED設置率が高く、えらいなあ、って感心)「ちょっと離れた歯医者」なんてのが見つかりました。逆に、「このスーパーは、2年前に閉店したのに、まだ、掲載されてるの?」っていうのもあり、「最新情報じゃない」というのが気になりました。また、かなり大きなマンションでも、AEDがなかったりして、「マンションとしてAEDを設置してあるところは、当市ではほとんどないんだな」ってのがわかりました。
まあ、とにかく、一度、このサイトの地図を見ながら、「今、実際に、どこにあるのか?」確認しようと思います。・・・そう思って、近所を散策したら、「あれ、この会社はAEDを置いてあるじゃん! でも、サイトの地図には載ってない。ちゃんと掲載しないとだめだな」ってことがありました。企業とかお店なんかでAEDを設置した場合は、それをこういうサイトに申告して、「すべての最新情報が載っている便利なサイト」にしないとだめだと思います。こういうのは厚労省がしっかり仕事をして欲しいです。天下りのことばかり、必死に動くんじゃなくて。

ところで、こうやって、「AEDの設置場所」を調べてみたものの、「24時間365日使える場所」が意外に少ないです。実際、うちの周辺では、「交番」しかありません。それにしても、片道で徒歩15分はかかる場所なので、「誰かがオートバイですばやく取りに行く」といったことでもしないと、現実的には使用は無理だと思います。そして、交番といっても、警察官はしょっちゅう外出しています。



そうやって、いろいろと考えたのですが、
AEDの設置場所として一番良いのは、「24時間営業のコンビニ」ではないでしょうか? 「必ず誰か店員がいる」「目だってわかりやすい。地域のみんなが知っている」、最高だと思います。でも、検索した限りでは、うちの周辺のコンビニでAEDを置いている店は一軒もありません。

調べてみると、私と同じ考えで、全国では、これを実施している自治体がいくつかあるようです。


一例 <愛知県尾張旭市>
尾張旭市の安全で安心なまちづくりのため、AEDの有効活用を推進・サポートします。その一環として、平成26年5月1日から市内コンビニエンスストア全店にAEDを設置、平成28年7月1日から一部の公共施設のAEDを屋外設置し、24時間いつでもだれでもAEDを活用できるよう整備をしました。 

えらいなあ、尾張旭市さん。全店に設置はすごい。それに「公共施設のAEDを屋外に設置」というのも、すごくいいことです。公共施設のAED設置率はとても高いのですが、利用できるのが、「月~金の平日だけ」「9時から17時の間だけ」では、宝の持ち腐れですから。

やればできるんですよねえ。でも、やらない公務員がいっぱいいるんです。高い給料もらってるくせに。。。(黒沢明監督の名画「生きる」でも、ガンになって「余命数ヶ月」になってはじめて、主人公の公務員=志村喬がやる気を出して、市民のために働きます。でも、その他の役人は何もしませんでした)

とにかく、この施策、全国でやって欲しいです。なお、コンビニの経営は大変ですから、当然、設置費用や維持管理費用は行政で負担すべきです。むしろ、「置かせてもらってありがとう」というお礼のお金を払うべきでしょう。場所を借りるわけですから。


そういうわけで「AEDの重要性」は、みなさんわかっているのだと思いますが、当マンションでは「設置しよう」という声は聞こえません。おそらく、このまま変わらないでしょう。財政的にも厳しいですからねえ。(リースの場合、月額5000〜6000円程度の費用がかかる)ただ、今後も高齢化が進み、AEDの必要性が高くなりますから、できれば設置して欲しいと思います。
うちみたいにある程度大きなマンション(200世帯 500人くらいの人が居住する)であれば、行政が補助金を出して、行政のほうから積極的に動いて「設置しましょう」っていうふうにして欲しいです。


なお、マンションの場合、「前提条件」と「置く位置」が問題となると思います。特に、オートロック式マンションの場合、これは重要です。

「利用対象をマンション内の人に限定し、外部の人が使用することは対象外」

AEDの盗難事件を考えると、こういうのもありなわけで。こういう考えの場合は、オートロックの内側に置くことになるでしょうし、マンションの外側に「AED設置」という看板も貼らないかも知れません。「自分たちの払った管理費で設置するんだから、自分たちだけで使用するのは当然」ということでしょう。
でも、「お互い様」という精神から言うと、マンション前の路上で倒れている「マンション住民ではない人」も救って欲しいと思います。それには、「外部の人でも手に取ることのできる場所」に設置して欲しいです。そして、当然、「AED設置」の大きな看板を外側に貼って欲しいです。

”「外部使用もOK」という設置方法なら、行政が補助金を出す”というのはどうでしょうか? お役人様、ぜひ、お考え下さい。マンションであれば、「24時間使用可能」ということですから、非常に有益です。

ところで、都会の住宅密集地などでは、「マンションも隣同士林立している」というところもあると思います。「30世帯の小さなマンションひとつでは、財政的に、AED設置は無理」かと思いますが、そういうマンションが3つ4つ手を組んで、「共同購入」とかできないものでしょうか?
「ABCDの4つのマンションの管理組合が手を組んで、1台のAEDを購入し、真ん中に立つ、Bマンションの玄関ホール(オートロックではない)に置く」なんていう方法はどうでしょうか?  発電機とか、「小規模マンション1棟で購入するのは大変」というものも同様なのですが、何棟かで共同購入というのは可能だと思うのです。(近所づきあい、大切です)

とにかく、いろんな方法で、AEDの台数を増やしていって欲しいと思います。

なお、AEDは「設置したから、もう大丈夫」ではなく、設置を機会として、「救命訓練」とか「防災訓練」とかを組み合わせて、「使用方法の練習」というのが大事だと思います。そういうので、住民同士のコミュニティ形成もできるでしょうし、そういう方向に行って欲しいなあ。