管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

管理人不在時にも掃除ができるように
「住民用掃除道具入れ」があってもいいのでは?

2020/9







 この前、こんなブログ記事を書きました。

「昼休み 管理人がいなくても住民が自主的に掃除」

お読みいただけると幸いです。

さて、一般的な「管理人常勤のマンション(フルタイムで1名で勤務)」のことを考えますと、夜間は管理人はいませんし、日曜や祝日、夏季休暇期間などもいません。そういうのを考えて計算すると、

1年間 365日 の総時間数 8760時間

のうち、そのマンションで管理人が働いている時間は約1900時間、

つまり、管理人がそのマンションの中にいて働いている時間は、「4分の1弱」なんです。逆にいうと、「4分の3強」は「管理人がいない」ということ。


そして、台風なんかは、時間は関係なしにやってきます。地震も、管理人の勤務時間なんかお構いなしに来ます。夜中に酔っ払ってゲロを吐く人もいるでしょう。


ということは、「管理人は常勤」といっても、「管理人がいない時間にはどうするか?」というのをあらかじめ考えておかないといけないわけです。
でも、何も考えていないマンションがほとんどで、上記ブログのような対応ができるマンションはごくごくわずかでしょう。
そして「防災」という観点では、そこそこ考えているマンションもありますが、「日頃の生活面」でのことは考えてないと思います。

今(2020/9/23)、ちょうど台風が来ていますが、台風で怖いのは強風と大雨です。「強風で、樹木の葉っぱが飛散し、それが、道路の排水口を塞いで、雨水を排水できず、水かさが高くなり、浸水してしまう」なんてことが、当マンションの地区でも置きていますが、これも、管理人がいない時間であっても、誰か住民が、排水口を塞いでいる葉っぱを掃除すれば、排水できるわけで、そうすれば洪水を防げます。そういう人が一人もいないから洪水になってしまいます。

日毎からマンション内で、管理組合が主体になって、「管理人がいない時間に起きたことは住民だけでなんとかしよう」という気持ちを持ってもらうことが大事です。

そして、そのためには、多少の「設備」「道具」の備えが必要なわけです。どんなスラム化マンションでも、数%の住民は、「うわ、これひどいなあ。今掃除したいな」と思うものです。でも「道具がないから嫌だ」とか「集めたゴミを自宅に持って帰るのは嫌だ」とか思って、結局何もしません。

なので、「管理室の中」とか、「鍵の掛かる場所」ではない。「駐輪場の片隅」とか、共用部分の中に、わりと誰でもが見つけやすい場所に、「掃除道具一式」を置いておくといいです。そして、「集めたゴミ」もどこかに捨てられるようにしておきましょう。(誰かの吐いたゲロとか、自宅に持ち帰りたくないですもんね)

まあ、ノロウィルス対策なども必要なので、それなりに「よく考えて」道具を置かないといけませんが、とにかく、「マンション生活の中の4分の3以上の時間は、管理人がいない時間」「住民だけでなんとかしないといけない時間」であることを考えて、「なんとかするため」の設備の配置とかしておきましょう。

そして、こういうのは、誰かがやっていれば、それを見て「じゃあ、俺も」という人も出現していきます。そうやって、増えていけば、住民全体の意識が「管理人さんがいない時間は自分たちで」と変わっていきます。

道具はありますけど、盗難が心配なので、「管理室」とか「集会室」の中です。

といったマンションがありますが、こういうのは、「盗まれるのも想定内」と考えて、誰でもすぐに手に取れる場所に置くことが大事です。「盗まれたら、また買えばいい」「盗まれても、誰も責めない」と考えることが大事です。