管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

認知症  初期症状の発見が大事





2016/9


 
長年、たくさんの認知症住民に関わっており、このHPにしても、ブログにしても、認知症の話題ばっかり書いています。

HP記事

ポマード臭い
鍵開けられない
探偵業務
警察沙汰になってくれ
身内の恥

認知症に関しては医学的に、「早く手を打てば進行を遅くすることができる」と言われています。ですから、初期対応が医学的にも大事であり、マンション管理的にも、「なるべく早く手を打ちたい」と考えています。

このため、ちょっとした会話の中にも、その徴候が現れていないか、日頃から気にしています。そして、そういうのを「証拠」として、家族などの親族や関係者に提示するため、「あれ、この人おかしいなあ」と思ってから後の会話は、ICレコーダーに記録するようにしています。

とにかく、このマンションマンションには「認知症予備軍」みたいな人がいっぱいいますから、忙しいです。



ここのところ、「同じことを何度も繰り返すようになった」Aさん。近所に住む、Aさんの家族に、「なんかおかしいですよ」と連絡しましたが、「高齢なんだから当たり前」とか言って、まともに取り合ってくれません。たしかに、Aさんは、「犯罪が起きたわけでもないのに警察を呼ぶ」「窓から物を投げる」「他住民にケンカをふっかける」といった、「実害」はありません。しかし、そういう「他の人にもはっきりわかるような実害を起こす」段階というのは、いわゆる末期症状であり、この時点から手を打っても遅いわけでして。

そのAさんは昔から私ともよく会話する人で、私に対しても「管理人さん」という呼び名ではなく、「トホホさん」と固有名詞で呼んでくれていました。それが、この前から、「夏目さん」と呼ぶようになったのです。

「夏目さん」というのは誰なんだ? と調べてみたら、このマンションの初代管理人の名前でした。これ以降、ずっと、私のことは「夏目さん」です。

これって、過去にも経験があるんですが、「認知症の初期段階」です。この録音を家族に聞かせたら、ようやく信じてくれて。「実は私達も怪しいと思ってたんです」と告白してくれました。「医者に連れて行って検査を受けさせます」ということになり、早く手を打つことができました。

あ~、ここの管理人職って、保健婦さんみたいな仕事までしないといけないのね。疲れるなあ。まあ、でも、こういうふうに「わかりやすい」症状が出て、その証拠を持って説明できたのはよかったです。証拠がないと親族は動いてくれませんからね。








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