管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

老朽化したエレベーターの更新工事 
その2
 





2021/2 訂正追記

まだまだ続きます

2015/9

★エレベーター更新の話は超長編大作になっています。そのため、下記の表のように記事が分割されています。また、関連項目もブログのほうで記述していますので、ご参考にして下さい。    
 更新工事@ 更新工事をすることになった。決まったけど工事日程変更。停止中のことを誰も考えてくれない。  更新工事A 停止中の3週間のことを考えるのは管理人? アンケート&調査実施  
 更新工事B 工事期間中はなるべく出入りしないようにする。その事前対策。  更新工事C 工事直前の準備。実際に工事をする業者との打ち合わせ。契約体制の説明。  
 更新工事D いよいよ工事開始〜終了 更新工事のいろいろ  鏡 窓 換気扇 
 こぼれ話@ ご近所のマンションでのエレベーター更新工事  こぼれ話A 階段の踊り場に椅子とS字フック
 こぼれ話B トランクルームに防災用品  こぼれ話C 一階の部屋の住民なのに・・・
 こぼれ話D 介護用品の搬入  こぼれ話E ボタンのキャンセル方法が変わった
 こぼれ話F 隙間に鍵を落とす  こぼれ話G 速度は変化なし
 こぼれ話H エレベーターの機械音  こぼれ話I ほんとエレベーター会社は何もしなかった
 こぼれ話J 工事するのはたったの一人?  



 
 エレベーター更新の話の2回目です。

今回の主題は、「3週間、エレベーターを使えないことに対する対応策」を本来やるべき「エレベーター会社」でもなく「管理組合」でもなく、「管理会社」でもなく「
管理人が」考えないといけないこと。(組合とエレベーター会社の直契約なので、管理会社は本当は無関係で一銭の利益にもならない、無料奉仕活動)

 さて、困りました。エレベーター会社側が何もしてくれないため、こっちで考えないといけなくなりました。いちおう、ダメ元で、うちのM社ではない、東芝エレベーターとか、日立さんとか、そういう大手他社さんにも、飛び込みで電話をかけて質問してみたんですが、どこも、「そういうのは、各マンションさんにお任せておりますので」という返答でした。

 こういう時に、大手の管理会社であれば、「過去の経験の蓄積」とかあるはずでしょうが、うちのような中小企業ではそういうのがなく。いや、おそらく昔に絶対経験しているはずなんですが、会社組織として、そういう「大切な経験」を文書にして残しておく、ということをまったくしていないのです。そして、人員の入れ替わりも早いため、経験した社員もいません。ですから、「ノウハウ」はゼロです。

 周囲のマンションもあたってみましたが、「更新の経験はない」ところとか「管理人がいないマンション」とかであり、情報は得られません。ネット検索しても、「複数機あるから、たいした問題じゃない」とか「入れ替えではなく、小規模なリニューアル工事なので、3日間で済んだ」とか。うちみたいに「3週間」という長期間の「完全入れ替え」の工事の例は出てきません。

 しかしまあ、ぱっと考えても、「高齢者ばっかりで、足の不自由な人も多く、いざ、実際にエレベーターが完全停止したら、大変だぞ。9階のヤマダさんなんかどうするんだ?」と、困る住民の顔がいっぱい浮かんできます。
 というわけで、まずは
「エレベーターがないと困る人」のリストアップが必要で、アンケートを実施しました。(これも大変な労働です。これくらい、組合でやれよなあ。)

 そのアンケートの結果や、管理人としての情報、住民からの「あの人、大丈夫かなあ」という世間話を総合すると、こんな感じになりました。


■Aさん=高齢女性(単身) 週に2回 病院に行かないといけない  6階居住
■Bさん=高齢夫婦 夫婦とも杖を使う  5階
■Cさん=高齢夫婦 奥さんが呼吸器系疾患で、外出時は酸素ボンベ携行  7階
■Dさん=高齢女性 孫と同居 手押し車を使わないと歩けない  3階
■Eさん=若い男性 (単身) 足を骨折し、現在ギブス状態 9階
■Fさん=高齢女性(単身) 足が不自由で杖使用。でも外出好きで、週3回「デイサービス」などの福祉サービスに出掛けている。送迎車が来る。 5階
■Gさん=超高齢男性(単身) ほぼ動けない状態。隣町に住む娘さんが2日置きに世話をしに来ているのだが、この娘さんもすでに高齢者であり、腰が悪く、階段がきつい。4階。 (※この人はアンケートに回答してくれなかったので、別ルートで情報を仕入れた。こんなことまでしてくれる管理人、いる?)
■Hさん=中年女性。(家族居住) 難病で足が悪い。会社の社長さんで、毎日通勤している。マンションから駅まで、よくタクシーを使っている。娘が車で駅まで送ることもある。(※朝7時に家を出て、帰宅も夜の8時くらいなので、私はこの人の存在には今まで気が付かなかった。)
■I君=中学生男子  学校の運動会の組み体操(5段ピラミッド)で大怪我をしてしまい、松葉杖状態。
・・・その他大勢

といった感じで、「エレベーターが停止して、階段利用オンリーになると、生活に多大な支障が出そうな人が、20名以上出てきました。

 このアンケート実施で、驚いたというか、「思慮が浅かったなあ」と反省したのは、「高齢とか体が不自由とかではない、元気な若者でも困ってしまうケースがある」ということ。そう、それは「
妊婦さん」です。

これは「盲点」でした。アンケートを取ってみて初めてわかったんですが、最上階に去年に引っ越してきた若夫婦の奥さんのHさん(主婦なのでふだんは部屋の中にいる)が、現在、「妊娠三ヶ月」で、つわりがひどく、あまり元気ではないそうです。でも、エレベーター停止期間中も、日々の買い物とか外出をしないといけないし、そういうのを宅配(後述)に頼んだとしても、この期間中に、どうしても、「2回は病院に行かないといけない」そうでして。この妊婦さんに、10階という長い階段を上り下りさせるのはどうなのか? ということになりました。ご本人も、「妊娠は初めての経験なので、その期間中の自分の体調がどうなるのか? 自分でもわからない」と言っていて。私も男で、妊娠の経験はなく、なんとも予想もできません。

 ただ、逆に、もともと体が不自由なため、中古物件購入の際に、最初から「1階の部屋」を狙って購入した住民もいて、その人のことを考えなくて済むのはラッキーでした。


 さて、上記アンケートは「居住者」の不都合を調べたものですが、エレベーターを使うのは住民だけではありません。来訪者のことも考えないといけません。新聞配達の人には、がんばってもらうしかないのですが、階段だとちょっと無理って人もいるのです。

●病人の部屋に毎月2回やってくる「訪問医療」の”お医者さん”が足が不自由で、階段がきつい。(これは、この医者を見かけた私が話を聞いたらわかった事実。)
●ウォーターサーバーの定期契約をしている住民が増えてきて、しょっちゅう、業者が、水の補充に来ている。いくら体力のある若者配達員でも、あの重量物を運ぶのはつらいのでは?
●「日田天然水」とかの「ペットボトル6本1ケース」を「2週間に1回」、定期配送している部屋があって、クロネコの人が大変そうだな。
●寝たきりの高齢者のところに「週2回」来ている、「訪問入浴福祉サービス」の人。浴槽とかを部屋まで運ぶのだが、FRPの軽量なものといっても、あれを10階まで持ち上げるのはしんどそう。


 こうやって調べてみると、「住民」&「住民以外」をトータルすると、影響を受ける人が、けっこうな数でいることがわかりました。また、今期の役員の中には、「なんでもかんでも文句をいう人」がいまして、この人、とても元気だし、部屋は2階なのに、「階段で昇り降りするの? かったりいなあ、誰だよ、そんな面倒な工事を決めたのは〜?」とか、ぶうぶう文句を言うのです。こういう人の相手も疲れます。

 また、大事なのは、この期間中に、「引っ越し」とか「リフォーム工事」とか、そういうのをさせないことです。引っ越しは、わかりやすいですが、リフォーム工事なんかは、発注する住民のほうは、どういう資材や道具を使うかわかってないですから、「大丈夫じゃないの? 階段使えば」とか気楽に思ってしまいます。でも、壁紙交換の業者が持ち込む、ピアノみたいな大きな機械とか、あれはエレベーターがないと絶対に持ちあげられないと思います。だから、引っ越しとリフォーム工事は基本的に「やめたほうがいいですよ」という案内を出しました。

「その時期にちょうど浴室の交換をしようと思ってたのに〜 できねえじゃないか」って怒ってくる住民もいました。特に、今回は、もともと予定していた時期と日程が変わってしまいましたから、そういう苦情が多いです。役員の都合で日程が変わったのに、苦情を受け止めて謝罪するのはこっちの役目ですから、つらいというか理不尽です。
「冷蔵庫」とか「洗濯機」などの大型家電製品とか「ベッド」などの大型家具の配達も事実上無理ですから、「この期間中には、そういうものは買わないで下さい」という呼びかけも必要です。


 さて、このように「不便になる人」「無理かもしれない人」がたくさんいることがわかった段階で、その対策をどうするか? 私としては、「体が不自由な人を背負って運ぶしか無いのかな?」(笹川良一みたいに)と思いました。でもって、これを調べ始めました。(ネット検索や人づての調査網を利用)  

「警備会社や人材派遣会社に頼んで人を配置してもらい、外階段のところに昼間の8時間常駐してもらい、重たい荷物を持つ住民の手助けをする」
といった例が見つかりました。「どうせ、人を雇うのなら、おんぶしてくないのかな?」と考えたのですが、こういう「人材派遣」的なものは、
「万一、落下して大事故にでもなったら責任が取れないため、人間の体に触るサービスはできない」のだそうです。
 だから、荷物を持って運んであげる程度のことしかできません。まあ、でも、「体は弱いけど、荷物がなければ、手すりに掴まりながら階段をゆっくり登っていけばなんとかなる」という住民もけっこういますから、こういう「補助員」というか、そういう人がいれば、かなり助かるのは間違いないようです。
でも、「それくらいなら、俺でもできるよ」というのが私の感想です。

 この「補助員」に関しては、よそでは、管理組合内部で、「役員で、日替わりで担当を決めて、”手伝って欲しい”という住民がいたら、予約してもらい、荷物運びを手伝う」「おんぶまではしないが、手をとって引っ張りあげてあげる」といった対策をしているマンションがありました。

 この「荷物運び」に関して詳しく調べると、よく駅の中で、ホームの売店に重い雑誌とか飲料などを配達する際に使われる、キャタピラーみたいな機械の存在を知りました。

荷物運搬機のyoutube映像

https://www.youtube.com/watch?v=pWyiPJZB8UQ

「なるほど、こういう機械に頼るのもいいかも?」と思いつつも、階段の幅が相当広くないとだめな機械もあり、なかなか難しいです。購入ならOKだけど、レンタルはないようだし。

そして、この機械から連想して、「これで人間を運べるものはないか?」と調べたら、ありました。

エレベーター改修工事期間中の階段昇降機レンタル事業開始

「これ、いいんじゃないの?」と考え、早速会社に電話して詳細を聞きました。うちのマンションの階段幅でも使用できそうです。「これを、”オペレーター込み”で貸してくれれば万全じゃないか?」と思ったのですが、「使用方法を守っていただければ、絶対に安全ですよ」と言いながら、「人間ごと貸して、何か事故が起きた時に責任が取れない」という理由で、「機械の貸出しかしていません。人は貸しません」とのこと。

http://www.asq-fs.co.jp/pdf/20130107.pdf

※2021/2 訂正追記 上記会社のHPがリンク切れになっていて、現在、この事業はやっていないようです。
どんな機械だったのか、イメージとしては、このページに出ている機械に似ているものだったと考えて下さい。実物はこれよりももっと大げさなすごい機械でした。2021年現在、改良されて、このHPのような軽量化した機械が開発されたようです。


このパンフの写真に出ている女性も、「基本的には操作するのは、機械に乗る人の家族」なんだそうです。商売でこういうレンタルをするからに人身事故の責任とか取りたくないから、客側の責任ってことにしたいんでしょう。

「でも、うちのマンションでは、単身の高齢者とかがいて、その人には家族はいませんよ。どうすればいいんですか?」と聞くと、「管理組合役員さんの中で担当者を決めていただいて、その人に操作してもらうとか、福祉サービスのヘルパーさんにやってもらうなどの例があります」とのこと。さらに、「操作は簡単です」と当初は言ってたのに、
「操作するには事前に技術講習の受講が必要で、講師のOKが出ないと操作できません」との条件つき。

詳細を聞くほどに、「なんか大変だなあ」と、話をしていて疲れてしまいました。でも、「機械で階段を昇降する手段」「購入ではなく、レンタル可能なもの」はこれしか見つからないため、これに頼るしかありません。とにかく「一度実物を見せてもらえないか? 東京の会社にまで行くから」とお願いすると、「今度、別のマンションさんで事前講習会を開催しますから、それを見学したらどうですか?」と誘われました。
でもって、貴重な休日に、わざわざ、東京まで行ってきましたよ。交通費自腹で・・・
(無償でこんなことまでしてくれる管理人、いるかね???)

現地で実物を見てきて、実際に、一般の人が操作するところを横から見てました。それでわかったこと。

★「雨の日は滑るので使用禁止です」・・・え? そんなのパンフには書いてないじゃん? 完全に階段の床面が乾いていないと使用してはいけないそうです。でも、マンションの階段って、屋外で、雨が吹き込む場所にあるのが普通ですよね?? なんか、騙された気がしました。この講習をしていたマンションも外階段でした。同席していた管理人さんが慌てていました。「”雨の日はだめ”って言うとさあ。雨水というのは雨がやんだ後も残っていて完全に乾くには1日はかかるんだから、それじゃ”降雨日の翌日もだめ”ってことじゃない?」「はい、そうです。もしくは、モップできれいに完全に拭いてもらって、水分をなくしてもらわないといけません」「え? 階段を完全にモップふきして乾かすなんて大変な作業だよ」と、そこの管理人さん、泣いてました。

★「操作は非常に難しい」・・・全然、簡単ではありませんでした。「ここでこうするのがコツ」といった点も多々あり、説明書を読んだだけではとてもじゃないけど習得は不可能。講師につきっきりで習って、数時間かけて自分の体で覚えるしか無く。そこのマンションでも、「妻が利用する予定の夫」とか「母親が利用する予定の娘」とか「ホームヘルパーさん」とか「無理矢理担当にさせられた役員」とか、10名くらいの参加者がいましたが、「これ、私には無理!」と、次々に途中で脱落し、残ったのは3人だけでした。

★「意外と体力が必要」・・・階段の踊場では180度転換が必要なのですが、これが実は「体力勝負」でして。「ボタン操作だけで楽々です」というのは、真っ赤なウソで、かなりの力が必要でした。(技術が向上すると、その力が少なくても済むようだけど、初心者のうちは、体力が必要。スキューバダイビングの初心者が大量の酸素を消費するようなものです)

★「女性と高齢者はNG」・・・これも、事前に聞いてなかったのですが、このように「体力が必要」な機械のため、講師の本音としては「女性には無理だと思います」「高齢者には無理だと思います」と吐露しちゃって。実は「最後に残った3人」は「女性」と「高齢者」と「管理会社フロントマン(男性。管理会社の立場上参加させられた)」の3人でして、「これじゃ、講習会を開催しても結局のところ誰も操作できないじゃないか?」となり、その場は一瞬パニックに。

★「二人でやって下さい」・・・これも、事前に聞いてなかったのですが、「女性が操作するとしたら、体力的に不安なので、その場合は、2人以上で操作して下さい」(一人がボタン操作し、もう一人が車体を押さえたり、ヘルプする)とのこと。これはたしかに見ていて、そう感じました。機械自体も100キロくらいあるし、そこに人間が乗ったら、150キロとかの重量物になりますから、1人で操作するのは無理、というか、操作する人の心理としても無理です。怖いですもん。

★「時間がすごくかかる」・・・練習だから余計に時間がかかるんだとは思いますが、1階のぼるのに「1分以上」はかかるのです。となると、1階から10階まで上がるのに「15分くらいはかかる」ということ。これは、しんどいです。

それから、これがまた重要なんですが、「操作する側の問題」だけでなく、「乗せられる側の問題」も大きいことが判明しました。実は、この講習会の時に、練習だから、本物の「体の不自由な住民」を載せるわけにはいかず、
私が「体の不自由な高齢者の役」として、何回か乗ってみたのですが。

「すごく怖い」

のです。
というのも、この「リフト」の上というのは、そこそこの高さがあるため、椅子に座っている状態でも、階段の手すりの外側の景色が見えるのです。おまけに操作する人は初心者(最初は無人で練習して、有人練習は最終段階なんだけど、やっぱり、まだまだ不慣れ)でおぼつかない操作をするし。だから、ものすごく怖いのです。

講師が本音を言っていたのですが、「乗せられる方も研修を受けて、低い階の間で何往復かして慣れないと無理。恐怖でパニックになって、リフトの上で暴れられたら、それこそ大惨事になるかもしれない」とのことでした。これはまさしく「そのとおり」と私も思いました。例えてみると、「いつ壊れるかわからない、絶叫ジェットコースターに乗っているような感覚」です。これで、10階とかの高さだと、ほんとに絶叫したくなるし、時間がかかるということで、乗っている人の体力も相当消耗します。

また、「キャタピラ」ということで、まるで戦車に乗ってるようなものですから、乗用車のような快適なサスペンションもありません。椅子部分に、わずかな衝撃吸収材は内蔵されているようですが、ゴツゴツした感触が体に直撃して、ガツンガツンきます。これは、腰の悪い人とか首の悪い人なんか、容体が悪くなっちゃうかもしれません。
講師は、「別途、座面に、クッション性の高い座布団とかを追加したほうがいいかも?」と言ってました。(だったら、最初からそういうのをつけておけよなあ)

というわけで、この様子を私がビデオに撮り、それをうちの役員さんに見せたのですが、皆さんのご想像のとおり、わがマンションでは「このリフトは却下」ということになりました。この講習したマンションでも、実際、「管理会社は頑張って代替手段を講じました」という、うるさい住民への言い訳のために、いちおう機械は借りて設置したけど、「実際の工事期間中に使用することは一度もなかった」とのことです。レンタル料金30万円をドブに捨てたってことです。まあ、安心料みたいなものかもしれません。

さて、こうなると、また、別の方法を考えないといけません。

そんな時、ご近所のマンションに救急車が来ました。実はこのマンション、小さなマンションのため、エレベーターのカゴも狭く、「救急車のストレッチャーは入らないよなあ」と思って、「どうするんだろう?」と野次馬根性で見に行きました。そうしたら、こんなものを使っていました。
(舞鶴消防署さんHPから拝借)

なるほど、こういうものがあるんですねえ。要するに
「担架」です。そこで、思いつきました。「うちもこういうのを使えばいいじゃん」と。
大震災以後、この手の「防災用品市場」は充実してきています。


こういう「防災用品」であれば、今回のエレベーター工事だけでなく、今後、永久に使えます。無駄にはなりません。費用捻出も賛同を得やすいでしょう。ということで、理事会の決済で1個購入しました。

でもって、「これも、実際に使う前に練習しないといけないなあ」と、日曜日に、「練習の会」を企画しましたが、住民は誰一人参加してくれませんでした。(前述の東京のマンションは10人の参加者がいたのに)

しょうがないので、私とフロント君の2人で、副理事長を乗せて実際に運んでみましたが、「平地」ならなんとかなるものの、階段はとても無理。通りがかった住民を無理矢理引き止めて、計4人で持ち上げてみましたが、それでも、しんどい。「これで階段の昇降をするのは、最低でも5人の人手が必要だな」とわかりました。それに、これもそれなりの練習が必要で、特に、5人のチームワークが必要なこともわかりました。

フロント君としては、もともと管理会社の仕事ではないし、「対策用の用品も買ったし、練習の会も開催したし、これを言い訳にして、実際は何もしないことにしようよ」「練習に参加する人が一人もいないんだから、それは、この住民の責任であって、管理会社の責任じゃないよ」との意見でした。私も同感でした。「5人でやっても、これで、体の不自由な人を階段昇降するのは無理だ」と理解しました。

こうやって、何事も「百聞は一見にしかず」だなと痛感。そして、出した結論は、「なるべく出入りしないで済むような方策を考える」ということで、そのための準備をし始めました。

(まだまだ、Part3 に続く)







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