管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

エレベーターの更新工事  その4 「直前」 
(まだまだ、完結しません)





2016/9


 
エレベーターの更新工事(一部交換ではなく、全交換。約3週間の期間がかかり、その間、エレベーターは使えなくなり、階段を使うしかない)。

正直、これほど大変なものだとは思いませんでした。「2機」あって、1機の工事中に、残りの片方が使えるようになっている大きなマンションのことを、どれほど、うらやましく思ったことか・・・・

現在、更新工事は終わりましたが、あまりにも疲れてしまい、「あのときのことをもう思い出したくない」「あんなに苦労したのに、会社からは一銭のボーナスもない」(会社としても、この工事については、組合から直接発注で利益がないから、しょうがないんだけど)「管理組合から、”ご苦労様”の一言もない」ってことで頭にきてしまい、このシリーズの執筆も途中で投げてしまっていたのですが、読者からの要望もあり、再開することにします。(※実は、管理会社変更のシリーズも完結しておりません。すいませんね)

なお、今までに書いたものは以下のとおりです。ご参考まで。

更新工事 その1
更新工事 その2
更新工事 その3
更新工事終了後のあれこれ




さて、PCやネットが発達し、「知りたいことは検索すればみんなわかる」、そんな世の中になってきましたが、実際はそうでもないわけでして。誰かが、そのことについて書いていないと、いくら検索したって出てこないのです。
マンション管理に関することも、私自身もあれこれ検索して調べますが、検索しても、私が書いたHP記事やブログ記事しか出てこず、「私が欲しい情報が得られない」ということが多々あります。
マンション管理に関することって、国土交通省がかかわっていますし、各種業界団体もあります。マンション管理士さんだってたくさんいます。なにより、立派なエレベーター会社が存在しています。でも、そういう人たちがちゃんと働いていないと思います。今回の「エレベーター更新」のことも、そういった皆さんが書いていてくれれば、私があらためて執筆する必要はないのです。
まあ、マンション管理士さんの場合、「情報を売って、金儲けするんだから、ただで教えられない」っていう面があるでしょうが、実際のところは、「現場の最前線のことを知らないから書けない」っていうのが本音じゃないでしょうか?

というわけで、「あんたが書かないと、他に誰も書かないんだよ」とか迫られてまして、ここに続編を復活させるわけです。思い出したくないようなしんどいことばっかりなんで、私にとっては一種の苦行ですが、なんとかがんばってみます。

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さて、時は「更新工事直前」の時期に戻ります。自分では、準備万端やってきたつもりでも、なにしろ「初めての経験」「誰もアドバイスしてくれない」「フロントも、”管理会社は関係ないから”と放置」「誰も助けてくれない」「管理組合はまったく何もしない」「エレベーター会社も何もしてくれない」「ネット検索しても情報はほぼゼロ」という中、一人だけでやっていれば、絶対に、抜けていることがあるものです。

今までは、「住民がこうむる不便」のことばかり考えていて、自分たち(管理会社側)のことを忘れていました。
具体的には、
「毎月1回実施している、管理会社の設備技術者による設備点検」
これも、エレベーターが使えないと大変なので、工事期間中の点検は中止し、日程の変更をしました。

「エレベーターの床マットの交換」
リー○キンさんが「4週間に1回」やっているものですが、工事期間中はエレベーターに乗れないわけですから、マットの交換をしても意味はなく、というか、カゴ自体がなくなっちゃうわけで。
「交換を1回飛ばしてもらう」 口で言うのは簡単ですが、厳密に言うと、「契約期間の変更」という面倒な手続きが必要。
「マットをはがして、物置に保管する」 マットってけっこう重くて大きいですから、これも楽じゃない。

「廊下の照明灯の玉切れ点検をやっておく」
蛍光灯の交換作業は重い脚立を持って、10階とかに行かないといけないわけですから、エレベーターが動かないとつらいわけでして。工事直前に、照明等をチェックし、「そろそろ切れそうだな」というものは蛍光灯とグローと両方とも思い切って交換し、工事期間中に交換作業がなるべく発生しないようにしました。

「消防設備点検の日程変更」
点検は「半年に1回」実施するものですが、例年の通常の予定で考えると、この工事期間中にあたってしまいます。工事後に実施することにしました。

このように、自分たちの仕事のことも考えないといけないわけです。

また、この工事の期間中に「古紙資源回収」の日が2回あるということを思いつきました。古紙って、重いですから、エレベーターがないと、住民の人たちが集積場所まで持ってくるのが大変です。「工事開始の前の回収日になるべくたくさん出しましょう」「できたら、エレベーターが新しくなってから出しましょう」という掲示を出しました。ただ、現実的には、「あたしが持っていくのは無理だから、管理人さんが取りに来て代わりに出してよ」っていう要望は絶対にあると予想されますので、それに備えて、大型のリュックサックを自宅から持ってきて、それの中に古新聞とか入れて、背負って運べるようにと準備をしました。


そんな中、新たな問題が起きました。工事が直前に迫ってきて、掲示板やら、全戸配布文書やら、「本当にエレベーターが止まるんだ」ってことをひしひしと感じるようになると、住民も、自分のことを真剣に考えるようになるんだと思います。「今まで一度もやったことがないけど、ためしに、階段を上ってみた」なんて人が現れます。
そして、10階に住む高齢住民から、「1階から10階まで、一気に階段を上るのは無理だから、途中で休憩所を設けて欲しい」という要望です。具体的に言うと、「階段の踊り場にイスを置いて欲しい」ということなのです。
イスは集会室にたくさんありますから、大丈夫なのですが、そう簡単には置けません。
「イスを置くと踊り場が狭くなってしまい、大きな荷物を持って階段を上る宅配業者さんなどに迷惑がかかるのでは?」
「雨が降ったら、イスが濡れる」
「認知症の人がイスを投げ捨てるかもしれない」
「イスが盗まれるかもしれない」
などなど。
特に「認知症」の問題は、過去に、「廊下に置いてあった植木鉢を投げ捨てて、あわや、死亡事故になりそうだった」という実例があり、その当事者が東棟の住民で、今回の要望も同じく東棟の住民からであり、危険性が高いのです。
そういうわけで、「なんでもかんでも管理会社に押し付ければいいんだ」と思っている管理組合役員連中は、「そういう高齢者が階段を上る際は、管理人が折りたたみイスを持ちながらいっしょに階段を上り、その高齢者が”休みたい”といったら、そこにイスを置いて休ませてあげる」、そうすればいいじゃねえか、って結論を出しまして。
なんか、お殿様の身辺のお世話をする付き人みたいなもんです。「そこまで、管理人にやらせるのか?」ってあきれました。

また、「階段を上る際に、杖があるといいかなあ? 管理組合で貸してくれない?」という要望もありました。これは理事会の開催後の要望だったため、理事会で話し合うことができず、理事長に相談しましたが、返答はなく。しょうがないので、私の独断で、「100円ショップで216円で売っている簡素な杖」を3本買って、「希望者に貸しますよ」ということにしました。まあ、ナマ物でもないし、防災用品としても今後使えますから、いいのではないでしょうか?

それから、このことは私もわかっていて心配していたのですが、雨が降った日に、実際に、階段を上り下りしてみた住民から、「あの階段は、雨に濡れると滑りやすくて危険」「踊り場の一部に水溜りができて歩きにくい」という指摘がありました。そう、そうなんです。大雨が降るとかなり危ないんです。うちの階段。これも、管理人サイドからどうしようもないことなんですが、アホなフロントが、「雨が降ったら、管理人と清掃員が、スイーパーやモップで雨水を吸い取って、歩きやすいようにします」とか理事長に言ってしまって。やらされるはめになりました。まあ、ある程度予想はしていたんで、ホームセンターとかに行って、「吸水効率の高いモップ」とかの目星をつけてはおいたんですけどね。フロントに言って、管理会社のお金でそれを買うことにしました。


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さて、いよいよ工事が近づいてきて、私のほうで、「実際に工事を担当する職員と、直接面談して、いろいろと打ち合わせしたい」と、エレベーター会社にお願いしておいた面談の日になりました。(これも、こっちから言い出さないと、エレベーター会社としては、「管理人との事前打ち合わせ無し」で工事をするつもりだったのです。ひどいと思いません? さすが、原発に関わる企業グループの会社です)



さて、その「工事担当者」というか、「職人さん」と会ったのですが、驚きました。

「Mエレベーターの社員ではなく、下請け会社の下請けの職人だった」(=孫請け)
固定概念で物事を考えてはいけない、ということはわかっていますが、まさか、エレベーターの更新工事のような重要な仕事を、下請けにやらせるとは思いませんでした。それも、「下請け会社で受けた仕事を、フリーの職人に発注する」という方式で。
でも、逆に言うと、今まで、M社社員に、更新工事の実際のことを根掘り葉掘り聞いても、しっかりした答えが出てこなかった理由がこれでわかりました。自分でやらないで丸投げしてるから、現場のことを知らなかったのです。

「職人はたったの二人!!!???」
これは衝撃でした。東棟と西棟の2台のエレベーターを同時並行で工事するのに、たったの二人って? つまりは「1台につき一人ってことです。私の先入観では、「なるべく短期間に終わらせないと、マンション住民に迷惑をかけるのだから、人海戦術で、大勢のスタッフが投入される」と思ってました。しかし、「狭い空間の中での仕事なので、何人もそこに入れないんです」とのこと。そういわれればそうかもしれないけど~。 「資材搬入」とか「廃材撤去」とか、そういう日だけ応援スタッフが来ますが、基本、「2名で2台を工事する」のだそうです。ほんとびっくりしました。

「職人は岐阜から来る」
ええ? ここと何百キロ離れてるんだろ? もちろん、通勤は出来ないので、当マンション近くのビジネスホテルに泊まりこみになるそうです。なんで、そんな遠くから呼ばないといけないんでしょうか? わかりません。「飛騨の匠」ってことなのかな? 腕のいい人ならいいけど。

「日曜日は作業は休み」
通常、マンション内のリノベーション工事なんかも「土日休み」「日曜休み」ですが、「たとえ1日でも、エレベーターを使えない日を短縮して欲しい」と切望する更新工事で、「日曜は休みます」って? なんじゃらほい! もちろん、労基法に違反しますから、同じ職人さんが休日無しで連日働くとは思ってませんが、「土日は別の職人が来て、代わりに作業をする」のだと、私は思っていました。でも、「同じ一人の職人が作業しないとだめ」なんだそうです。

ほんと、驚きの連続でした。

そんな驚きの中、「集会室を休憩室にして、トイレも使ってもらう」「トイレットペーパーやタオルなんかは、エレベーター会社のほうで用意しないそうなので組合側で用意する」「集会室は禁煙」「タバコを吸う場所は、一箇所に固定する」などなど、細かな話を決めていきます。
また、「資材置き場スペース」とか「部材を加工するスペース」とか、そういうのの確保とか、危険防止のために、そのスペースに囲いを作るとか、関係車両の駐車スペースとか・・・・  いろんなことを決めました。(こういうのも、「実際の職人が現場を見ないと決められない」ということで、事前に決めておけなかったのです。エレベーター会社って、ほんといい加減です)

そして、工事日程に関する、「詳細な詰め」も行ないました。こういう工事というのは、なにかあったときにも対応できるようにと、わりと余裕を持たせた日程を組み、実際には「予定よりも早く終わることがある」というものです。そのへんの細かいことを聞きました。

「工事完了日が変わることはない」
「公的機関の竣工検査の日程が決まっており、その検査が終わらないと、新エレベーターを動かすことはできない」らしく、だから、「新エレベーターの運行開始の日は変えられない」とのことです。なるほど、そういう事情があるんですか。ただ、「夕方5時から運行開始」という時刻が繰り上がって、「午後3時から運行開始」とかにできるかもしれない、という話でした。この2時間だって、大事ですから、そういうことを聞けるのは有意義です。

「エレベーターが停止する正確な日と時間」
エレベーター会社から出された「行程表」をよく見ると、工事の1日目は、「準備作業」が主で、エレベーター本体に触れることはなさそうです。ということは、この日は、エレベーター会社側は、「もう、エレベーターには乗れません」と発表しているものの、実際時は「稼動可能ではないか?」と考え、その職人に聞いてみました。「ええ。初日は動かすことは可能ですよ」との回答。M社に対して、「だったら、この日は、エレベーターに載れることにしてよ」と要請しました。これで、「停止期間」が1日短縮できました。
「2日目」に関しても、作業内容を精査すると、「もしかして午前中は動かせるんじゃないか?」と思い、これも職人さんに聞いてみました。彼は
ちょっと悩んだ顔で、「全面的に動かすことはできませんが、急病人とか、どうしてもエレベーターが使えないとまずい場合は、臨時で動かすことは可能です。ただ、扉のないエレベーターになりますから、あくまでも特例措置であり、危険を承知の上で乗ってください」と答えました。こういう事情なので、住民に対して、「2日目の午前中も使えます」とは公表できませんでしたが、内部的な秘密として、「万一のときは無理を言って動かしてもらおう」ってことにしました。

「意外と騒音がする」
エレベーターの更新工事というものの実態が何もわからない私としては、この工事が「どのくらいの騒音や振動がするのか?」わかりませんでした。そこで、職人さんに話を聞くと、「意外とうるさいんです。屋上の機械室での作業もあって、騒音が広範囲に広がるため、過去の例では、近隣から苦情が来たこともありますよ」とのこと。そこで、急いで、「ご迷惑をおかけします」という通知書類を作成し、近隣に「挨拶」&「配布」しました。(これも本当はエレベーター会社がやることじゃないの??)

こういうのも、エレベーター会社の営業マンでは答えられないことで、実際に作業をする「職人さん相手」だから聞けたことです。やっぱり、何事も「現場の人の声を聞け」だと思います。

それと、やはり、「掲示板への告知」や「各部屋への投函」だけでは、不十分で、かつ、外来者へのアピールが足らないため、集会室で会議用に使用しているホワイトボードを玄関ホールに移設し、「エレベーター工事専用告知板」として、わかりやすく説明することにしました。ここには、「コンビニで宅配をやっていますよ」といった情報も貼りました。

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そんなわけで、「直前まで、やりつくした」と自分では思っていたのですが、そんな時に、清掃パートさんが、「昨日、NHKで尾瀬の特集をやっていて。ボッカっていう人がものすごい大量の荷物を背負って木道を歩いているのを見て、あれで人間も運べるんじゃないかな?」と突然言い出しまして。
「え? それって、ひざの悪い私が、住民を背負って、階段を上るってこと?」
「はい」
「え???」
「もちろん、一人で背負うのは大変だと思うから、管理人さんが背負っているのを、その周囲で、何人かが手伝えばいいんじゃない?」
「はあ????」


本当はこんな提案、拒絶したかったんですが、「万一に備えて、準備だけはしておこう」と思って、キャンプ好きの某住民に聞いてみたら、「あ~、背負子ね。俺も持ってるよ。小柄な人間なら乗せられるんじゃない?」なんていう返事で。
結局、期間中だけ貸してもらうことにしました。実物を使って、実際に清掃員さんを背中に乗せて、練習してみましたが、けっこう「膝」に来ます。

「こんなの使いたくねえなあ」と心底思いました。

その「練習風景」を見ていた某住民(8階居住)から、こんなことを言われました。
「ああ、そうだ、管理人さん。あたし、**月**日に粗大ゴミを出すんですよ。タンスなんですけど。でも、その日って、エレベーターが動かない日ですよね。管理人さん、それを使ってうちのタンスをゴミ置き場まで運んでくれますか?」

ゲゲゲ!!!


「期間中はなるべく粗大ゴミは出さないほうがいいですよ」って、掲示板にも貼ってあるし、全戸配布の資料にも書いてあるじゃないですか??」
「そんなの読むわけないじゃん」
「そんな~ あっさり言わないでくださいよ」

さすがに、これは無理なので、その住民と、そして役所のほうにも相談して、回収日の日程を変更してもらいました。あ~面倒だなあ。

<追記 今回の工事の契約体系の再説明>
通常、マンションでの「エレベーター更新工事」というのは、「管理会社」が元受けになって、そこから、エレベーター会社に発注するものです。1機1000万円の工事であれば、そこに「10%の手数料」を加算して、1100万円で、管理組合に提示します。
管理会社としたら、「単価の大きい、おいしい商売」のはずですが、当社の場合、「エレベーターにはかかわるな」という伝統があるらしく、そのため、「管理組合からエレベーター会社への直接発注」という形で、「管理会社の手数料はゼロ」という、組合にとってはとてもいい条件で契約できたわけです。

なぜ「関わらない」のか?
これは読者の皆さんならすぐにおわかりかと思います。「工事以外のことにものすごい労力を費やすから」です。
今回、私が行った労力を、もし、「誰か専門家に依頼したとしたら」で計算すると「100万円じゃできないだろう」ってくらいの労力です。
ですから、本来は、「何から何まで、エレベーター会社に任せる」というつもりで、「組合からエレベーター会社への直接発注」にしたわけです。

しか~し。
エレベーター会社は「使えないときは階段を使ってください」のひとことしか言いません。超無責任体質。やはり、「業界大手数社で寡占していて競争原理が働かない閉鎖的な世界」だからだと思います。設置後のメンテナンスに関しても、今は独立系のメンテ会社があるとはいうものの、まだまだ、「製造メーカーに依頼するしかない」という状態ですから、営業努力なんてものが全くないのです。集会室にある「コピー機」なんか、リース期間の満了が近づくと、「他社に切り替えられないように」、必死に営業マンがやってきますが、エレベーターに関しては、そういうのはまったくなし。

エレベーター工事の説明会を開催したときも、これだって、本来は「エレベーター会社単独でやるもの」であり、管理会社がやるべきものではないです。一銭ももらってないんだから。というか、管理組合主体でやって欲しいよなあ。
しかし、「説明会に参加する住民」の一大関心事は、「どんな工事をするのか?」とか「どんなエレベーターになるのか」なんてことではなく、「エレベーターが使えないときにどうしたらいいのか?」ってことであり、それがわかってるから、うちのフロントも、本当は出席する義務なんかないのに、いやいや、説明会に参加して、私が考えたことを代わりに発表したのです。

さて、こういう工事は「掲示物」や「全戸配布物」が非常に重要ですが、これがひどいもんでして。天下に名だたる、原発も作る、超一流企業のやることじゃないんです。
あれほど、事前に、「高齢者が多いんだから、文字は大きく」「誰も読まないんだから、目立つようにしないとだめ」「専門用語なんか誰もわかんないんだから平易な言葉で」・・・と忠告したのに、掲示物にしても、説明会での配布物にしても、「こんな小さな文字じゃ見えないよ」「文章がギチギチで読みにくい」「専門用語ばっかりじゃないの!」と、ひどいものでして。

結局、そのあとは全部私が「平易で」「読みやすい」「目立つ」書類を作りなおしたわけです。そうしないと誰も読みませんから。これに関する労力も、コピー代も紙代も、エレベーター会社は一切負担していません。管理会社の持ち出しです。(えらいなあ、うちの会社) エレベーター会社って、読む相手が「一流企業のサラリーマンかお役人」として考えてないのでしょうか? うちのような「スラムマンションの住民」が相手だってことを全然理解していないのです。

かといって、本丸である工事に関しても、説明会に出席した営業マンは、専門的な話もできず。(実際に工事をするのは、下請け業者だから、ホントの現場の工事のことを知らんのです)

もちろん、「そんなことは管理人がすべきことではない」「越権行為だ」「そんなことをする管理人がいると、他の管理人も、”何でもやってくれる”と誤解されて仕事を押し付けられる。迷惑だ!」って怒るのはわかります。私だって、「そんなのは俺の仕事じゃない!」ってわかってやってるんですから。こんな、ものすごく疲れることを、好きでやってるわけないでしょ?

でも、ちゃんとしないと、あとで迷惑をこうむるのは、最前線の現場で働く管理人なんです。特に、高齢者ばかりで体の不自由な人が多い、当マンションで、「エレベーターが3週間も使えない」なんてのは、パニック必至の重大事業です。何も準備をしないで工事を始めたら、苦情の嵐になるでしょうし、「管理人さん、荷物運んでよ」「おんぶして、5階まで連れてって」っていうのをひたすらやることになるのはわかりきってるわけです。

結局は、自分への被害を最小限にするために、業務範囲外のこともしないといけないわけです。それがスラムマンションの管理人のつらいところです。

※「外国人への対応」
上記のように、いろいろな広報をしてきたわけですが、外国人への配慮として、「非常に重要な案件」に関しては、「英語」&「中国語」でも作成し、その外国人に対して個別に配布しています。なお、元請けのエレベーター会社の作成する「住民向け広報物」には、英語版などの配慮は一切ありませんでした。今はそういう時代じゃないと思うけどなあ。やっぱり、原発作るような企業グループは、そういう配慮ができないんですな。


今回はここまで。これほどまでに、現場の管理人が苦労をしていること。皆さんに知って欲しいなあ。超つらいよ。






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